建設業

2015-04-01

逆解析を利用してデータセンター温度改善のために最適な床下吹き出しの風量分配を求めます。

解析概要

目的

解析の対象とするデータセンターは、サーバー冷却のために床下から冷たい空気を吹き出し(コールドアイル)、サーバーにより熱せられた空気を天井に設置された吸込口から排出する(ホットアイル)設計になっています。
今回のケースでは、コールドアイルの温度を24℃にすることを設計目標としますが、単純に風量を増やすだけではコールドアイルの冷却という目標は達成できても、最適な分配を図ることは出来ず、過剰なエネルギー消費となります。そこで、FlowDesigner Enterprise 版の逆解析機能(アドバイザー)を使用して、最適な風量分配を図ります。

 

目的

現状の温度分布と逆解析によって求められた改善結果

現状のデータセンターの設定では、床から吹き出す冷たい空気の風量が不足しているためにホットアイルの空気がコールドアイルに漏れて、コールドアイルの温度が高くなっています(30℃~33℃)。しかし、サーバーの冷却のためには、コールドアイルの温度が24℃以下であることが望まれます。そこで、「コールドアイルの温度を24℃にする」という設計目標をたてて逆解析を実行すると、全体の風量を20%増量する事で目標温度の24℃に近付ける事ができました。

 

現状のデータセンターの温度

逆解析によって自動的に求められた改善結果

逆解析による改善箇所

逆解析を使用すると、改善した条件設定についても知ることが出来ます。
今回のケースでは、温度改善のために吹き出し風量を全体で20%増量しておりますが、それだけではなく逆解析を使用する事で、吹出口ごとの風量分配も考慮して、より効率的に設計目標である「24℃」に近付けることに成功しました。

 

逆解析による改善箇所

 

上図は、現状モデルと改善後モデルの一部を拡大して、同じ場所の吹出口の風速を表示した図です。現状の風速分布に比べると改善後の風速分布は全体的に大きくなっていますが、円で囲まれた箇所は特に風量が強く設定されています。

吸込口(吹出口)の風量分配

 

上のグラフは「現状の設定モデル」と「風量を一律 20%増したモデル」、そして「逆解析で得られた改善モデル」で、各吸込口(吹出口)の風量をどのように変更したかを表したものです。これを見ると、吹出口の影響が強い所では40%近く風量を増やしている(19番)のに対して、逆に影響が少ない所では風量を小さく(27番)しています。

コールドアイル温度分布

 

上のグラフは「現状の設定」と「一律20%増」と「逆解析結果」各モデルのコールドアイル温度分布を比較したものです。これを見ると、風量を一律20%増やしたモデルと比べても、逆解析結果は効果的に温度改善が図れていることが解ります。
このように、逆解析は「どこの風量を上げれば効率的に目標を達成できるのか」ということを解析する事ができます。

改善前 改善後
床吹き出し18℃(×90台) 風量・42[m3/min](計3780[m3/min]) 風量・30~71[m3/min](計4520[m3/min])
天井吸い込み(×30台) 風量・126[m3/min](計3780[m3/min]) 風量・110~175[m3/min](計4520[m3/min])
サーバー発熱(×180 台) 6000W(改善前と改善後で共通)

果たしてFlowDesignerの解析結果は…?!

この解析結果(PDF資料)はダウンロードできます。

希望のお客様は下記をご入力の上、「ダウンロード」ボタンをクリックしてください。

お名前必須
会社名・大学名必須
メールアドレス必須
電話番号

複数の資料をご希望される場合は、メールまたはお電話にてお問い合わせください。

 

※件名に「事例資料請求」とご記入ください

03-4590-1560

【受付時間】平日9:30~17:00